ニュース | 2011/02/05
逆説的なようだけれど、
八百長が常態化していたと言われる現状で、
八百長力士を処分するということは、
八百長の実態の大部分を闇に葬るということ。
そして、「八百長などありませんでした」として、
出版社を名誉毀損で訴えてきた姿勢を
あらためないということを意味しています。
「八百長力士を厳しく処分する」と言うと聞こえが良いですが、
実際には「今後も本音と建て前を使い分けます」
というメッセージにほかなりません。
これに対し、八百長力士の処分はしないと決めるとは、
「今まで、八百長は当たり前だったけど、今後は辞める」と宣言するということ。
週刊誌から受け取った賠償金も返却し、
一から出直すということを意味します。
どちらが誠実なのでしょうか。
そもそも、八百長が悪いことなのかどうか、
捜査情報を漏洩するに値するようなことなのかという
疑問はあります。
ただ、もし、八百長が悪いと本気で思っているのなら、
「処分しない」という方針が正しいのです。
医療事故でも、鉄道・航空事故においても、
日本ではとにかく、問題を起こした人に責任を押しつけ、
根本的な解決を軽視する傾向があるように思います。
感情的な「村八分」の論理で、全ての社会的問題を解決しようとするのです。
今回の問題も同じ。
善悪と懲罰は必ずしも一致せず、時には矛盾するものだということ。
まずは、このことを理解することが、
社会制度を考える上で、重要ではないかと思います。
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