大学に市場原理を導入する方法

経済・政治・国際 | 2010/12/23

大学生らに奨学金を貸与している独立行政法人「日本学生支援機構」は来年1月から、経済的に困窮し、返済が困難になった卒業生を対象に、最長で10年間、毎月の返済額を半額にできる制度を導入する。

関係政令の一部改正が21日、閣議決定された。

新制度の対象は年収が300万円以下で経済的な理由で返済が難しい人。返還期限の上限も20年から25年に延ばす。減額返還制度を利用した場合も、当初の利子負担は変わらない。

奨学金返済、最長10年間半額に…学生支援機構

最初にちょっと余談。すごくどうでも良いことなんだけれど、上の記事で、本来書かれていないといけないことが書かれてないので、ちょっと補足します。もともと、奨学金には、「300万円以下の収入を目安として、5年まで支払いを猶予」という制度がありました。それが、「300万円以下の収入を目安として、10年間支払い半額」に変わったというのが真実。これを書くと書かないとで全然イメージが違うと思うのですが、おそらく、取材すらしないで記事書いたんでしょう。

さて本題です。最近思うのは、入学者の大学入試センター試験の成績で、大学への補助金を決めれば良いということ。たとえば、5教科合計で上位10万人分に定額の補助金を与えるということにすれば、今よりずっと少ない予算で大学を無償化できるし、高校生も勉強するようになります。

以前、予備校で数学を教えていたとき、中学レベルの数学が分からない生徒が、某大の工学部に推薦で受かったという知らせを聞いて驚きました。一部の大学は見かけ上の偏差値を高めるため、誰でもいいから推薦で入れて、一般入試の倍率を高めるという作戦に出ています。だから、見かけの偏差値以上に、ひどい状況の大学がたくさんあるのです。大学の授業と言っても、高校の復習程度。卒業しても、企業では全く使えない。そのために、時間と金を費やすことによる、社会全体の損失は計り知れないものがあります。

本来、彼らだって、しかるべき場所に行けば、十分、その能力を活かすことができるはずです。ただ、それに適切なのは、大学ではなく、高卒での就職や、専門学校でしょう。こうした進路に進むべき学生が大学に流れてきているのが、現代の大学の問題だと言えます。

では、誰が大学を選別するのか?そこで、市場原理が働くような形で選別するべきだというのが、大学への補助金を入学者の成績で決めるという案です。数少ない「補助金対象の学生」を獲得するために、大学が良い意味での競争圧力にさらされるようになります。一方、補助金対象にならない学生(大学に行く学力に達していない学生)は、圧倒的に高い学費を払って私立大学に行くか、職業専門学校に進むことになり、その点でも、社会全体の無駄を省くことができるのです。

いいことずくめの政策です。まぁ、私大の大部分は潰れ、自分も確実に仕事を失うのが唯一の欠点ですけどね(笑)。

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コメント

)では、誰が大学を選別するのか?そこで、市場原理が働くような形で選別するべきだというのが、大学への補助金を入学者の成績で決めるという案です。

面白い案だと思います。

エントリとはややズレてしまうのですが、これを高校に応用できないものでしょうか?

本来的には教育機関のアウトプットは何か?とするなら、生徒の能力を入学から卒業までにどれだけ伸ばせたか?ということになると思います。
(その意味では、大学も、優秀な人間を集めるという点だけでなく、卒業時点でどれだけ伸ばせたか?という点が欲しいですが)

高校での卒業時点での水準を安定させるのに、「教育機関である高校に対して」(高校生に対してはさまざまな競争があるわけですが)競争圧力あるいは評価がされればと。

管理人より:高校が微妙なのは、学力の低い高校生は高校に行かないで就職した方が良いと言い切れないからです。大学についてはそう思っている人が多くても、高校についてはさすがにそういう意見は少数派でしょう。高校の学費を学力で差を付けるのは、適切ではないし、政治的にも不可能だと思います。

高校については、もっと単純に、現在の高卒認定(旧大検)程度の卒業認定試験を課すのが現実的だと思います。大学入試と比べると、かなり簡単な試験で、大学に行く層にとってほとんど負担がない一方、底辺校の生徒は現状でほとんど受からないので、勉強する動機を与えられます。

底辺層のレベルアップには、卒業認定試験という「ムチ」を、エリートの輩出には学費無料という「アメ」をというのが理想だと思ってます。

投稿: 北風mk-2 | 2010/12/25 20:07:55

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