「議論の余地がなく、反対する理由が見つからない」。みんなの党の江田憲司幹事長が指摘する通り、この問題を放置すればモラルハザード(倫理観の欠如)が極まる。この状況下での消費増税論議など、国民感情をさかなでするに等しい。
2日しか働かないのに1月分支給という制度が国民感覚に合わないということを否定するつもりはない。しかし、自分はあまのじゃくなせいか、この問題をちょっと引いた目で見ている。
まず、当選してから給与を変更するというのは信義則上どうか。たしかに、国会議員の報酬は国と労働契約によって得られるものではなく、当選後の報酬の変更は違法ではない。しかし議員に立候補するということは、当人にとっての「費用対効果」を見越してのことだったという意味で労働契約に準じるものがあり、それが途中で変更されるというのは議員からすると裏切り行為だ。今回の場合は金額がそれほど大きくないこともあって、問題にならなかったが、本来であれば好ましいことではない。任期中の報酬の変更は絶対に行ってはいけないというわけではないにしろ、簡単に第三者が要求できるようなことでもないのだ。
それに、そもそも、この問題、そんなに重要なことなのだろうか?だって、1月分の給与を余分に払ったって所詮6億円である。今の日本は多くの経済的・財政的な問題を抱えており、その規模は6億円とは比べものにならない。6億円について国会議員が審議し、公共の電波が使われることによる費用は、6億円どころではないはずだ。6億円の審議のために、他の重要な政策が後回しになったり、国民の政治的関心からより重要な問題から外れるとしたら、トータルで見たら大損なのである。
このように全く理屈にかなっていない「歳費日割り法案」だが、みんなの党やマスコミが一体となって推進してきた。これを衆愚政治と言わずに何と言えば良いのだろうか。
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