ニュース | 2009/09/03
オーストラリア北西部ブルーム市の議会が22日、和歌山県太地町のイルカ漁に抗議して、同町との姉妹都市提携を停止することを全会一致で決めた。市議会は「イルカを殺す限り、姉妹都市は続けられない」としている。
捕鯨問題に関して、「かわいそうだから殺すな」っていうのは、欧米人のエゴでしょうね。クジラやイルカの前に、牛・豚・鶏の虐殺に反対するべきだというのはもっともです。理念的なところで言ったら、国際政治の場で捕鯨の禁止を訴える根拠はあまりないと思います。
しかし、国内の捕鯨反対派が言う主張、「この問題が、日本のイメージを悪くするとしたら、税金を使ってまで捕鯨を維持する理由はあるのか」「むしろ、天下り利権を維持しているだけではないか」というのは、これはこれで見るべきものがあると思います。
実際、この一年でクジラを食べたという人はほとんどいないでしょう。食生活に関する限り、すでに鯨の文化はほとんど失われてしまっており、「守るべき文化」だとしても、その優先順位はかなり低いものになっているといるのです。たとえば、あるマイナーな伝統芸能を継承することが大事だとしても、それを維持するのに莫大な税金が必要で、かつ、日本を外交的に不利に追いやるとしたら、その是非は、さまざまなバランスの中で決められるべきことは言うまでもありません。(余談ですが、クジラやイルカには、水俣病が問題になったときの水俣湾の魚と同レベルの水銀が含まれているようで、自分はそんなものを口にしようと思いません。)
漁業資源のバランスを維持すること目的として捕鯨が必要だという主張がありますが、これは到底科学的とは言えない調査であり、「捕鯨が生態系を乱す」という主張に科学的根拠が薄いのと同じように、「捕鯨が生態系の維持に必要」という主張にもきちんとした科学的根拠がないのです。おそらく、人間が捕鯨をしようとしなかろうと、長期的にはそれなりに生態系が維持されるというのが本当のところではないかと思います。
自分は捕鯨を推進することが全て間違いだというつもりはありません。特に、クジラ漁をする人、クジラ食の愛好者が捕鯨を推進するのはもっともだと思います。しかし、クジラを食べたこともない、食べようとも思わないのに、単にナショナリズム的な理由で捕鯨問題に首を突っ込む人は、少し頭を冷やして考えた方が良いような気がします。
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これは失礼しました。
まず、自分がちょっとネットで調べたところ、
日本沿岸でのミンククジラの捕鯨は禁止され、
他の鯨種のみが捕獲されているという記事が見つかりましたが、
これは間違いなのでしょうか?
一般に、世の中にはさまざまなリスクがあり、
どのようなリスクを重視し、
どのようなリスクを重視しないかは個人の問題です。
自分が生まれてから馴染んでいるようなリスクに関しては、
あまり気にならないのが普通だし、
それは間違っていることではないと思います。
ただ、自分は水銀にはかなり神経質で、
金目鯛や本マグロ、サメ類はもちろん、
メバチマグロでさえも避けていますので、
ミンククジラの水銀量も
「できる限り避ける」水準です。
これは人に強制するようなことだとは思ってませんが、
あくまで個人的にはそのようにしているということです。
エジプト報道で、朝日と毎日がすごい件
に対する
情報学ブログさんのコメント
硫化水素自殺って楽に死ねるんだろうか?
に対する
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に対する
北風mk-2さんのコメント
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>>自分はそんなものを口にしようと思いません。
そんなものとはクジラやイルカを食している人や捕鯨をされている方々に対して失礼だと思いませんか?あなたにはそんなものだとしても私の住む地域では昔から皆に食される親しみ深い食品です。そのような言い回しやめて下さい。あなたが教えている情報学をそんなもの扱いされたら腹が立ちますよね?
>>クジラやイルカには、水俣病が問題になったときの水俣湾の魚と同レベルの水銀が含まれているようで
クジラやイルカは種類によっては水銀の含有量が多いものがありますが、主に家庭に流通するのは水銀の含有量の少ないミンククジラです。クジラやイルカの肉を食べて健康被害を受ける可能性なんてまずありません。
感情的に書いて申し訳ありません。
詳しいデータは厚生労働省のホームページにあります。
ttp://www.mhlw.go.jp/topics/2003/06/tp0613-1.html