ニュース | 2009/08/25
公務員給与ダウン、民主「労組反対でも押し切る」
http://www.yomiuri.co.jp/election/shugiin2009/news2/20090825-OYT1T00995.htm
まぁ、公務員と言ってもいろいろですが、いわゆるキャリア官僚の給与は他の業界と比べて極端に低いわけで、それをさらに下げてどうするんでしょうか。幹部クラスの公務員に関して言うと、必要なことは、天下りをなくす代わりに、給与を上げること。民間からの中途採用を増やすことでしょう。「給与ダウン」なんていったい何を言っているのだか分かりません。一方、「現業公務員」や比較的単純な事務作業に携わる公務員の給与は、民間と比べて高いわけなので引き下げは当然だと思います。
一番の問題は、公務員の雇用に市場原理が働いておらず、民間と格差が開いても是正する方法がないということでしょう。特に民間の終身雇用制度が崩れ初めているにもかかわらず、公務員だけが旧態依然の雇用形態なので、格差が開き続けるわけです。キャリア官僚が安給料で毎日深夜まで働いている一方、比較的単純な労働に付いている公務員が高額の所得を受けとり、何十倍という倍率を経てやっとなることができるというのは、現在の日本の社会の矛盾を良く表している気がします。
良く天下りが問題になりますが、キャリア官僚や、天下った官僚の給与だけなら、全部合わせても年間1兆円に満たないわけで、優秀な人材を大量に(数万人)雇うのに必要なコストと考えれば大した金額じゃないのです。現役時代の給与+天下りで初めて民間と同等の生涯所得と言われていますので、天下りを目の敵にしてもしょうがないでしょう。むしろ、本来、法律を作ることが仕事なはずの国会議員に法案作成能力がない日本で、官僚まで流出したらどうなってしまうのかと、そちらの方が心配です。
問題は、その制度を維持するためにつぎ込まれている大量の補助金です。1兆円の人件費をキャリア官僚に流すために、10兆円の税金が非効率に使われているとしたら、1兆円の人件費をそのままにして、10兆円のムダをなくした方が効率的でしょう。そのために必要なのが、「天下り廃止+それを補うだけの給与アップ」ということなのです。
民主党は打ち出している天下り規制や特殊法人改革には賛成ですが、支持団体などとの関係もあって、どこまで実現できるか疑問です。全体的なビジョンのない改革案では、本当にできるのか疑問を抱かざるをえません。そうなると単なる選挙向けのパフォーマンスという気もしてきます。ただ、他の問題はともかく、公務員改革に関しては、とりあえず民主党にまかせてみるしかないかもしれません。これに関して、自民党には民主党以上に期待できないのは間違いないのですから。
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