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日経ビジネスにとって「民意」って何だ

ニュース | 2009/03/14

政権前夜を迎えたはずの民主党に新たな問題が浮上した。小沢一郎代表の公設第1秘書の逮捕もさることながら、肝心な経済政策が民意と大きく乖離していることが日経ビジネスの調査で明らかになった。

日経ビジネスは今年1月から2月にかけて、全衆院議員480人と上場企業の会長・社長、日経ビジネスオンラインの読者を対象に「第2回 経済政策アンケート」を行った(下図参照)。

代表秘書の逮捕より深刻、民主党が抱えるある問題
http://www.nikkeibp.co.jp/article/news/20090313/138810/

この記事を書いた記者は会社に辞表を出して勉強し直した方が良いかもしれません。日経BP社には良い記事を書く記者が多いと思っていただけに、この記事は大変残念なものでした。

本文で書いていることを別にしても、出だしがまるっきりおかしい。「民主党の経済政策が民意と大きく乖離していることが分かった」といいつつ、アンケートを取った相手は、「上場企業の会長・社長、日経ビジネスオンラインの読者」だそうです。だいたい、「上場企業の会長・社長、日経ビジネスオンラインの読者」の意見が自民党議員と近く、民主党議員と遠いというのは、党の成り立ちを考えても明らかで、アンケートを取るまでもないことでしょう。ところが、これを書いた記者は、その無意味なアンケートを取った上で、アンケートの対象者の意見を「民意」としているのです。記者たちが、社会調査の担当をしているにも関わらず、「サンプリングのバイアス」という社会調査の基本の「キ」を全く理解していないということは明らかです。これで記者がつとまると思っているとしたら、ジャーナリズムをなめているとしか思えません。

同じアンケートの分析結果を記事にするのなら、「上場企業の会長・社長、日経ビジネスオンラインの読者の考えている経済政策は自民党議員の考えている経済政策に近い」と言うべきでしょう。それでは「おもしろくない」と思ってセンセーショナルな書き方をしたのかもしれませんが、明らかに客観性を損ねるものになってしまっています。

さて、細かいようですが、この分析にはもう一つ別の問題もあります。たとえば、私は民間競争を重視するからこそ、セーフティネットを構築するべきだと思っています。他の面に関しても、記事の冒頭にあるマトリックスに全く当てはまらない面が多いのです。まぁ、経済問題に関する自分の個人的意見など誰も聞きたくないと思うので、詳しくは立ち入りませんが、一般に、クラスター分析というのは、論理的に軸として意味をなしていないものが軸として扱われることがあり、この背景は、クラスター分析のマトリックスの設定には、最初のアンケートの質問文を作った人の考えが入り込みやすいという問題があるのです。したがって、クラスター分析で別のマトリックスに分類されたからと言って、「乖離している」という結論を導くことはできません。クラスター分析は、企画立案、いわゆる「ブレーンストーミング」的な状況や、「どのような分析を行えば良いか」を判断する予備段階で使われたりするもの。いずれにせよ、客観的な評価はできないと考えた方が良いのです。

とにかく今回のような分析結果をもとに、その限界を自覚した上で政策を検討したり、インタビューを掲載するという点に関しては問題ないわけですが、「民主党の政策と読者の政策が乖離している」という結論を導くことはできません。もし、この結果をもとに、「民主党の政策と読者の政策が乖離している」というのであれば、クラスター分析の結果を参考にしつつ、別の分析を行うことが必要なのです。これはアンケートを取り直さなくても、データの分析のみで行えることです。統計について素人と思われる記者にそこまで求めるのは無理かもしれませんが、せめて「クラスター分析の限界」について多少の知識があれば、もう少し客観的な記事になったのではないでしょうか。

さて、こうしてめちゃくちゃな分析をした結果、結論は何かというと、「民主党批判」です。たしかに、不況下における派遣労働者の規制や定額給付金への反対など、納得いかない経済政策を出してくることが多い民主党を批判したくなる気持ちは十分分かります。しかし、それがクラスター分析の結果であるということに関しては、根本的な間違いを2つも侵しているわけです。これでは、「何か変な権力に動かされて、無理矢理、民主党に不利な記事を書いている」と判断されても仕方ないでしょう。まぁ、本気で反民主党キャンペーンをやろうとしているのなら、最低限の論理性を備えた記事を書かないといけないわけで、その点において全く成功していないとも言えるわけですが…。間違いなく言えるのは、この記事を通して、「日経ビジネスの記事は信頼できない」と多くの人が判断するようになったことでしょう。

だいたい、経済専門誌の記者が、社会調査が専門でもない自分が見ても分かるような明らかなミスをしていることに、おかしいと思うのは自分だけではないと思います。日本ではジャーナリストの専門性が低いと、宮台さんも言っていましたが(link)、これはさすがにひどすぎるのではないでしょうか。何が原因でこんな記事が表に出てきてしまったのか分かりませんが、デスクともども猛省が必要なのではないかと思います。

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コメント

興味深く読ませていただきました。
「上場企業の会長・社長、日経ビジネスオンラインの読者」で民意とは、お笑い種ですね。
しかし、この手のやり方で自分の思想を正当化する報道機関は多いと思います。
TV局がよくやっていますが、平日昼間に固定電話だけにかけて「民意」を調査するRDDの手法についてもバッサリ切ってやって下さい。「何か変な権力に動かされて、無理矢理、民主党に『有利』な記事を書いている」ことが明らかになりますよ。

投稿: | 2009/03/20 23:32:18

ほんとおっしゃる通りですね。

日経ビジネスの何がダメだったかというと、
テレビ局が確信犯的に「騙そう」と思っているのに対し、
そのあたりの意識が甘い記者が適当に書いていたということだけかもしれません。

自分が前からあった方がいいと思っているのは、
ネット等で案件ごとに募金を集め、
それに応じて世論調査をする独立した調査機関です。

投稿: 情報学ブログ | 2009/03/21 1:23:57

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