ニュース | 2008/11/04
愛知県一宮市大赤見の金属加工業「仲孝工業所」で九月、経営者の仲島孝治さん=当時(57)=が工場内のクレーンにつるされて殺害された事件で、一宮署捜査本部は四日未明、殺人の疑いで近くに住むおいの仲島弘将容疑者(32)を逮捕した。
(中略)
三日朝から、弘将容疑者らに任意同行を求め事情聴取していた。
http://www.tokyo-np.co.jp/article/national/news/CK2008110402000076.html
まだ裁判も始まっていない中、この事件が冤罪になると決めつけるのではありません。でも、どんな事件にも冤罪になる可能性があります。
そういう視点で考えると、この逮捕、明らかに不自然なところがあります。三日朝から事情聴取をしていて、そのまま四日未明に逮捕。要するに、この容疑者は24時間近くにわたって聴取を受けていたことになります。これは日本の警察では当たり前のことなのかもしれませんが、常識的に考えたら明らかに異常です。寝る時間も与えられないまま事情聴取を受け、気がもうろうとする中、自白をしてしまった…。そういうシナリオを考えるのは自分だけではないでしょう。記事の書き方からして、「決定的証拠」がなかったということも分かります。日本の司法では被疑者の人権が軽んじられているということが専門家から指摘されていますが、まさにその実例と言えるのではないでしょうか。
繰り返しになりますが、この事件が冤罪になるかどうか、この記事だけから決めつけることはできません。しかし、そういう可能性もある。そういうところから司法制度を考えていくことが、民主主義の社会の国民に求められているのではないかと思います。いつ自分が不当に逮捕されるか分からない。そこを出発点に考えなければ、「裁判など適当にやって死刑にすれば良い」という恐ろしい発想になってしまうからです。
こういう記事を見て、「こんな残虐な事件に関して冤罪を疑うのは被害者に失礼だ」「警察の能力を疑うのは警察に失礼だ」そう考える人はまさかいないと思いますが、もしいたなら、そういう人こそ、かりにも民主主義の制度を取る日本という国を破壊する犯罪者と言えるでしょう。どんなに残酷な犯罪であっても、一人の犯罪者の手で日本の社会制度そのものが崩れることはありません。しかし、無知な国民が集まれば、「国」などというものはいとも簡単に破壊されてしまうものだからです。
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戦前、内務省があったころから、警察の尋問というのは、過激であってようですね。今も、別件逮捕や自白の強要などやっています。
一方、法務省が管轄している刑務所ではあまり深刻な問題は聞きません。
警察から容疑者の身柄が法務省に移されるとは途端、法律が守られるようになるようです。