ニュース | 2008/10/17
この記事に関連して、メインのブログの方に以下の記事を書かせてもらいましたので、合わせてご覧いただければと思います。(ちなみに「ニュースな待合室」は「情報学ブログ」のサブブログです)
死刑制度と人権
http://informatics.cocolog-nifty.com/blog/2008/10/post-5026.html
国連自由権規約委員会が日本の「死刑制度」「代用監獄」を始めとする司法制度に疑念を持っているということが伝えられています。
この問題でやり玉に挙げられている「代用監獄」。2ちゃんねるあたりで適当なことを書いている連中は言葉も知らないんじゃないでしょうか。この記事で初めて耳にして調べる人も多いわけで、この言葉を使うかどうかだけでも、全く違った印象を与えると思います。そのことに注目して、各メディアの報道を見るとおもしろいことが分かります。
また、「人権問題では世論に流されるのではなく、政府が世論を誘導するべき」というのは、本来非常にまっとうな主張なんですが、こうしたことを教育の場できちんと教えられていない日本人には、理解できない人が多いのだろうなぁという気がします。
これに対して「日本は伝統を持った主権国であり、外部からとやかく言われる筋合いはない」なんていう人には、中国や北朝鮮の人権問題に対しても同じことを主張するのか聞いてみたいものですね。もちろん、国内問題として見たときには、世論を無視した政策が許されるわけではないのですが、それとこれとは別でしょう。
○代用監獄制度について言及なし・人権問題は世論に優先するという主張への言及なし
「日本は死刑減らすべき」 国連自由権規約委、10月末に勧告へ/日本経済新聞
http://www.nikkei.co.jp/news/shakai/20081017AT1G1700917102008.html
→完全に政府の提灯持ち。読者に日本政府が「被害者」であるという印象を与えている。
○代用監獄制度について言及なし・人権問題は世論に優先するという主張への言及あり
死刑制度に不満相次ぐ=国連委の対日人権審査で/時事通信
http://www.jiji.com/jc/c?g=soc_30&k=2008101700119
→代用監獄制度については遠回しにしか書いていない。
○代用監獄制度について言及あり・人権問題は世論に優先するという主張への言及なし
日本の死刑、代用監獄に批判続出 国連委、10年ぶり対日審査/47 NEWS(共同通信配信)
http://www.47news.jp/CN/200810/CN2008101701000190.html
○代用監獄制度について言及あり・人権問題は世論に優先するという主張への言及あり
日本の死刑・代用監獄に批判相次ぐ 国連規約人権委審査/朝日新聞
http://www.asahi.com/international/update/1017/TKY200810170051.html
死刑廃止:「勧告は…」国連人権委が日本批判/毎日新聞
http://mainichi.jp/select/wadai/news/20081017ddm012040030000c.html
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エジプト報道で、朝日と毎日がすごい件
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いつも更新を楽しみにさせていただいております。
代用監獄については全くその通りだと思います。
そもそも日本の司法制度そのものが「お上の言うことは正しい」という立場に寄りすぎていて、おかしい気がしますね(他国と相対的に見て、という意味ではなく絶対的に)。
死刑制度はそれ単体としては是非の意見もあるとは思いますが、少なくともこのような立場の司法制度の下で運用され、現に冤罪でありながら死刑判決を下された人間もいる状況に対しては、少なからぬ恐怖を覚えます。