硫化水素自殺って楽に死ねるんだろうか?

もともとにおいには敏感な方ですが、一応、薬学部出身なので、薬品のにおいには特に敏感です。実験室で何か事故があったとき、すぐに対処できなければ命にかかわるからです。今でも、町を歩いていて、工場からわずかに塩化水素臭や硫化水素臭がしただけで、反射的にその場を離れたくなります。

さて、硫化水素自殺が、苦しまずに死ねる自殺方法ということで、話題のようです。しかし、これほどひどい死に方はないんじゃないかと感覚的に思うのは、気のせいでしょうか。というのも、硫化水素はとにかく強烈な異臭がする物質だからです。温泉地にただよう濃度が低い硫化水素は、「卵の腐った臭い」にたとえられますが、臭いが強烈になり、(トイレ用洗浄剤に臭いなど)他の臭いと交じれば、「ウンコの臭い」と言った方が良い、かなり強烈な異臭になります。

たしかに、高濃度の硫化水素では「即死」をすると言われていますが、「即死」というのは、かなり微妙な言葉なのです。一般に、「即死」というのは、死にゆく人を外部から観察したときに「即死だった」と判断されるということであり、本人が苦しみを感じるかどうかとは無関係だからです。本人が苦しんでいるにもかかわらず、外から見ると「即死」ということは十分に考えられます。

高濃度の硫化水素の場合、短時間で呼吸や筋肉のコントロールができなくなるので、外から見ると「即死」ということになるでしょうが、これは、決して、身動きができない中、激しい息苦しさを感じながら死んでいる可能性を否定するものではありません。首つり自殺の場合、かなり長い時間意識がなくならず、身もだえながら死ぬケースが多いことが良く知られていますが、硫化水素でも同じようなことになっているかもしれないのです。また、高濃度の硫化水素を長時間嗅いでいると感覚が麻痺するようですが、当然、感覚が麻痺するまでのタイムラグはあるので、異臭を感じなくて済むわけではないと思います。

端的にまとめると、「硫化水素を吸うと同時に、ショックを受けるほどの強烈な異臭を感じる。その後、異臭はだんだん和らいでくるが、呼吸や身動きができなくなり、強烈な息苦しさを感じながら死んでいく」というあたりではないでしょうか。しかも、これはあくまで成功例。濃度が低ければ、異臭や呼吸困難を感じる時間が非常に長くなるのは間違いありません。

即死するほどの濃度の硫化水素を嗅いだことはありませんので、実際にどうなるかは分かりませんが…。そう考えただけで恐ろしくなってきます。

27日午前2時半ごろ、神戸市北区若葉台2の男性会社員(64)方から「息子が風呂で有毒ガスを発生させて倒れた」と119番通報があった。消防隊員が駆けつけると、浴室入り口で男性とアルバイトの次男(27)が倒れており、次男は死亡、男性も重体。兵庫県警神戸北署は、風呂場で硫化水素自殺を図った次男を助けようとして男性も巻き添えになったとみている。

 調べでは、次男は浴室で薬剤を混ぜて硫化水素自殺したとみられる。扉に「有毒ガス発生、開けるな」と張り紙があり、内側から施錠。男性は扉を割り次男を助け出そうとしてガスを吸ったらしい。男性の妻(59)と長男(32)も病院に運ばれたが命に別条ないという。次男の部屋には家族あての遺書があった。【津島史人】

自殺:浴室で硫化水素使い男性死亡 神戸
http://mainichi.jp/select/jiken/news/20080327k0000e040024000c.html

○お知らせ

検索からのアクセスが急増しているので、自殺しようと思っている方のために、去年の3月に書いた記事を紹介しておきます。興味を持った方がいたら、ご覧いただければと思います。

生きる意味について
http://informatics.cocolog-nifty.com/blog/2007/02/post_311d.html

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コメント

「生きる意味について」のリンクを載せたことは大変意味のあることだと思います。

投稿: 匿名 | 2008年4月30日 (水) 22時41分

硫化水素が苦しいのなら、あなたがもし自殺を選ぶとすればどんな方法ですか?

投稿: hs | 2008年5月 1日 (木) 01時46分

自殺を選ぶ人は楽に死ぬ方法を探す人が多いようですが死なないですむ方法を探せないものなのでしょうか・・・?

投稿: 通りすがりの者 | 2008年5月 2日 (金) 15時57分

先生へ
唐突な書き込み、お許しください。
わたしは、自殺したくて検索中に先生のサイトにあたりました。
硫化水素での自殺の横行により、マスコミは「自殺するのは悪いこと」という、自殺者たたきばかりが、広まっていますが、現実に、さまざまなトラブルに巻き込まれたとき、日本には、被害者を救済する手だてがまったくありません。
例えば私がなぜ死ぬ以外ないかを手短に説明します。
私は女医ですが、某女医大で10年間もいい加減な治療という「いじめ」を受け、結果、難病になってしまい仕事どころか、トイレなど日常生活にも不自由する体となりました。女医大教授に、主治医にいじめられた事実を直訴したところ、
『そんなこと喧伝して歩いてどうするんだ?誤診なんてどこでもあるだろ!』と逆切れされ、とりあってもらえませんでした。
「いじめ」を、長期にわたる副作用のある薬のいい加減な投与と言い換えて、「医療過誤」として、裁判を起こしましたが、加害医師は、賠償保険から示談金を払い、謝罪などは一切なく、大学での診療も、そのまま続けています。配置転換などの処分は一切なかったということです。そればかりでなく、その後も、加害医師は、講演会やNHKで「名医」として紹介され、
正しい薬の飲み方や、女性の健康について語りつづけています。
つまり、意図的に私を難病にしたことや、そのことで起訴されたことは、個人のこととして、水面下で処理して、闇から闇へ、実態は全く反省しなかったのです。
私は、何度もNHKに連絡し調査依頼をしました。加害医師について、その手抜き診療や症状を悪くする薬を意図的に処方する「患者いじめ」について調査して欲しいと連絡しました。女医大の教授や上層部は事実を把握しているし、証拠のカルテを見せることも可能だと。その医師は他の多数の患者にも同様の手抜き診療をしていると。女医大の友人を通して、加害医師の傍若無人なドクハラ診療は、院内では周知の事実であることもつかんだので、そのことも付け加えました。ところが、NHKは「調査」どころか、何もせずに何年もその医師を「名医」として紹介しつづけています。
和解金として認められたのは、病院の診療費と、数十万の精神的慰謝料のみでしたが、
現実には、難病で病院に行くにはタクシーでないとだめだし、ベッドも介護用、電動で持ち上がるものでないとだめです。缶切りは電動のものにしたり、髪を洗うのに特殊なブラシが必要になる、などなど、ともかく、健康だったときには想像もつかなかったさまざまな器具が必要です。加えて、24時間体調が悪いというのは、診療費を貰っただけですむ問題ではありません。
私は、加害医師のような「名医」ではありませんでしたが、医師として、できるかぎり良心的に、多くの人々を一生懸命助けようとしていました。ところが今は、医者として働く体力も奪われました。
ところが、いい加減な診療をして、患者の症状を悪くして、嘲笑していた(実際に難病になった私をみて笑っていました!)加害医師は「名医」として活動しつづけています。
ブログによると、先生は情報学がご専門のようですが、このような間違った情報を流す日本のマスコミのありようはなんなのでしょうか?
ろくな調査もせずに、大病院の講師だというだけで「名医」に仕立て上げるマスコミの情報は、いわば、有害情報なのではないでしょうか?それを信じた患者が次々と診察に行って犠牲者になるのですから。病院もどんなにひどい医師でもNHKに出演している、いわば患者を呼ぶパンダとして放置するしかありません。NHKで取り上げられる宣伝効果は、金銭にすれば億単位の高額と換算されます。たとえNHKであっても出演側病院には、情報にそのような金銭的打算がつきまとう現実があります。
ともかく私はやれることはすべてやりましたが、その悪質医師一人さえ、反省させることができませんでした。無力です。
加えて、救われない難病の症状に今後も一生苦しむ「終身刑」のような日々が待っています。
私が、他の医師にダマされ有害薬を飲まされたことについて、周囲の医師たちは、
『ダマされた自分が悪いんじゃないの?テレビに出てるだけで良い医者だと信じるなんてバカじゃないの?』と、冷ややかです。まるで「オレオレ詐欺の被害者が悪い」とか、「いじめられる側に原因がある」ような論理です。だれも加害医師が悪いとは言いません。悪質医師は日本に溢れているので、そのこと自体に疑問を感じる医師はいないのです。悪質医師を見抜けなかった患者が悪い、と、本気で思っている医者が沢山います。
加えて、そのことをNHKにチクって、その医師が降板になるなどすると、自分も仕返しをされるのでは、と、恐れています。そういう世界です。
長くなってしまって、すみませんでした。
ともかく、そのように周囲からも「医者なのに医者にだまされた」として忌み嫌われ、友人からも「病院で難病にされた」という状況を理解してもらえず、病状もあり孤立しています。
NHKでその医師が微笑みながら名医として話しているのを見るたびに怒りが爆発します。
私は、日本のシステムでやれることは、すべてやりました。
この、肉体の症状と、加害医師に対する「怒り」から逃れるには、あとはもう死しかありません。もちろん私は周囲に迷惑をかける硫化水素は使いませんが。医者は迷惑をかけずに死ぬ手段を知っています。
ブログの著者の先生へ、とても長く、また個人的な内容で申し訳ありませんでした。
もし先生に、このような苦境にある人間がいて、本人もさまざまな努力をした末に、解決できない問題があってこそ、あらゆる理屈を超えて死しか選びようのない被害者がいることを、
情報学的に認識して頂ければ、とても、幸いに思います。
このような無茶苦茶な文章を読んで頂き、本当に、どうもすみませんでした。
そして、ありがとうございました。       また機会があれば先生のブログにおじゃまさせて頂きたいとこころから思います。    
真由美

投稿: mayumi | 2008年5月 3日 (土) 11時18分

自殺を煽るクズは逮捕してほしいものです

投稿: けん | 2008年9月17日 (水) 16時37分

突然のコメント大変申し訳ありません。自殺について、私は検索中このページにあたり先生の文章も読ませて頂いてためになるお話でした。ありがとうございます。

私は真由美さんの文章について、コメントを書かせていただきたいのですが、(掲示板でもないのに、かってな思いで、書いてしまいまして大変申し訳ありません…)
元女医で、今はあるいじめという名の治療を行われて、難病になってしまったと書かれていますが、私も薬の副作用で何度も入院し、医療、医者不信に陥り自ら医者になろうと今受験勉強中です。
私は今も難病指定の病気ですが、今の所は普通に生活ができる範囲内に治まり、実際はいつ悪化してもおかしくなく、たまに追い込まれてしまうと自殺をしたいなどと考え自殺のページをたまたま拝見したところ、硫化水素の先生の話と真由美さんのコメントをみて事実ほかにもそいう人たちがいるのだと初めて知りました。
死を選ぶ時。周りの人の幸せを考えてなる場合もあります。一概に自殺はするものではないとは言い切れないぐらい現実は厳しい場合もありえます。私の勝手な尺度でしか図れませんが…難しい問題です。
大変長く、そして身勝手なコメントを申し訳ありません。コメントを書かせてくださいましてありがとうございました。

投稿: lee | 2009年3月27日 (金) 00時47分

どうか死なないでください
寿命まで生きてください
それができないならせめて働いてください

投稿: | 2009年4月25日 (土) 15時09分

自殺をしようとする人、自殺をした人、この人達は何故死にたがるのか俺にはわからない。注目を浴びようとして自殺、失恋がきっかけで自殺、人生に疲れて自殺、様々な死に方がある。俺が思うに、死んだ方がマシだ!速く死にたい!と、言う人に対して俺は、死んだことがあるのか?死んだことがあるからそんな事が言えるのだろ?と、思ってしまいます。
親からもらったこの命、そんな簡単に殺してもいいのか?
どんなにつらい生涯でも、最後の一分一秒まで一生懸命生きたほうが 良いと思う。 どんなにつらい事があっても最後まで生き抜く、それが人間ってもんだ、と俺は思う

投稿: けい | 2009年5月12日 (火) 22時32分

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» 流行はメディアから。自殺もしかり。 [ミーチャンハーチャン]
またまた自殺流行(はやり)ものが更新されたね。硫化水素自殺か。実は数年前からネッ [続きを読む]

受信: 2008年5月 2日 (金) 12時51分