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ためしてガッテンの捏造報道について―NHK側の反論を再検討する

経済・政治・国際 | 2007/04/13

ためしてガッテンの報道が捏造かどうかが話題になっています。結論から言うと、今回の報道は悪意のある捏造ではないとしても、科学的に見て捏造と言われて仕方がない面があったのではないかと思います。ためしてガッテンの報道の何が問題で、何が問題ではなかったのか、NHK側の反論を元に考えていきたいと思います。

(1) データの捏造と結果の捏造

一般に、科学に関する捏造は、結果の捏造とデータの捏造に分けられると思います。「あるある」のような明らかなデータの捏造が犯罪であることは言うまでもありませんが、これは、データを捏造しなければ結果を捏造して視聴者を騙して良いという言い訳にはありません。

最初に結論を言います。NHKの反論を考慮したとしても、今回のNHKの報道はいずれにせよ、「結果の捏造」であり、「データの捏造」です。そして、批判されて当然のことだと思います。

(2) 統計の必要性

データの捏造をしないでどうやって結果の捏造をするのかって思う人もいるかもしれません。しかし、データの捏造をしないで結果を捏造することができるのは、科学教育を受けた人間にとっては「常識」といっても良いことです。「結果を捏造してはいけない」というのは科学者のモラルとして固く戒められていることなのです。

2つ例を出したいと思います。

[例1] 1週間の気温を測って、前の年より5℃も温度が低いという「データ」があったとします。だからといって「5℃も気温低下!!異常気象か??」という報道をしたらおかしいことは感覚的に分かるでしょう。たまたまその1週間の温度が低かっただけかもしれないわけで、1週間くらい調べて異常気象ということはできないわけです

[例2] 熱を出した人がいたとします。「大根」を食べた次の日に風が治ったからといって、大根が風邪に効いたということにはならないでしょう。風邪はたまたま治っただけかもしれないからです。

ではどうすれば良いのでしょうか?

異常気象であることを示すためには、過去数年分のデータと比較しないといけません。また、大根が風邪に効くかを示すためには、大根を食べた場合とそうではない場合で比較しないといけません。

こうしたとき、気象や風邪の治り方にどのくらいの差があれば、「本当に差がある」といえるのかを数学的に決めるのが「統計」という考え方です。統計というと難しい話ということで毛嫌いする人が多いように思うのですが、統計的手法を用いるということは科学的結論を導くために必須のことなのです。これは、科学教育を受けた人間であれば、誰もが徹底的に叩き込まれていることでしょう。

(3) 今回のNHKの報道について―結果の捏造という観点から

自分は週刊現代を手に入れたわけではないので、NHK側の反論をもとに、NHKの報道の妥当性について考えたいと思います。

ためしてガッテン:「週刊現代(4月21日号)の記事について」 ~NHKは「週刊現代」に抗議しています~
http://www.nhk.or.jp/gatten/news/info20070409.html

「結果の捏造」についてのNHKの主張をまとめると、以下のようになるでしょう。

大阪大学、東京医科大学の研究グループの学会発表をもとに結論を導き、番組上で提示したデータは補助的なものに過ぎないのだから捏造ではない。(趣意)

しかし、こうしたNHKの反論はむしろ、番組のデータは茶番に過ぎないということを認めていることになっているとも言えます。今回の報道は、どう考えても科学的に何かを立証するものではないわけであり、それをあたかも科学的な結論であるかのように報道すれば捏造と言われても仕方ないと言えます。

では、NHKはどうすれば良かったのでしょうか?これは意外に単純な話で、番組では科学的な結論を導いているのではないということを明示すれば良かったわけです。たとえば、「今回のデータは科学的な結論を導くものではありません。これこれこういった研究データを踏まえて報道しています」と言うようなテロップを流していれば問題なかったでしょう。

逆に、こういったことを明示していなかった以上、週刊現代の批判に反論することはできないと言うことができると思います。

(4) 今回のNHKの報道について―データの捏造という観点から

一方「データの捏造」についてのNHKの反論は正当かというと、これもかなり疑問と言わざるをえません。

データの捏造についてのNHKの主張は以下の通りです。

変化なしとしたデータは測定器の誤差である10%以内であるのに対し、変化があるとしたのは測定器の誤差の範囲を超える28%の増加であったから問題ない。(趣意)

これは「やぶへび」とも言えるものでしょう。NHK側が提出した生のデータは、+27%, -8%, -7%, -5%というものですが、平均すると、+2%にしかなりません。一方、測定器に由来する誤差は、サンプル数の逆数の平方根に比例して小さくなるわけですが、それでもプラスマイナス5%です。つまり、「10%以内は誤差範囲」という主張をするのであれば、+2%も誤差範囲ということを認めなければいけないわけです。

こういうとき、科学の世界では、どうすれば良いかということが明確に決まっています。誤差について、全てのデータを同じように四捨五入で処理することは許されても、一部だけを「変化なし」とすることは許されないのです。ある部分を「変化なし」として提示せず、そうではない部分だけ提示すれば、自分の都合の良い結論を勝手に導くことができてしまうからです。そういう意味でNHKは、科学の世界で「絶対にやってはいけないこと」をやってしまったと言えるでしょう。

すでに書いたように、NHK側は番組でのデータが補助的なものに過ぎないのであり、別の研究グループの発表をベースにしていると主張しています。しかしもしそうだとしてもデータの出し方は問題ではなかったのでしょうか?いずれにせよ、NHKは正直にデータを出した上で、「今回のデータだけからは科学的に立証されることはなかったが、他のグループの研究で明らかになっている」というようなことを番組中で明示するべきだったのです。そして、それをしなかった以上、捏造だと言われても仕方なかったのではないかと思います。

(5) 結論として

ためしてガッテンが捏造体質であることは、「あるある」の問題が話題になった直後に記事を書いたことがあります。また、この記事では、補足として自分が非公式に聞いたNHK側の主張も載せています。一言で言うと、「娯楽番組なんだからしょうがない」という甘えがNHK側にあるのではないかと思います。

あるある捏造の次は、NHKのためしてガッテン―科学番組は捏造が常識
http://informatics.cocolog-nifty.com/blog/2007/01/nhk_8714.html

そういう自分の立場からすると、「週刊現代、良くやった」という気持ちです。

ただ、良く言われるのは、「あるあると比べればはるかにまし」というような話でしょう。これについてはその通りだと認めざるをえません。しかし、それは「ガッテン」が問題ないという理由には決してならないはずなのです。100人殺す大量殺人よりましだからと言って、一人の人を殺した殺人犯が悪くないということにならないのと同じです。

今のマスコミでは、捏造が蔓延しており、それが当たり前のようになっている。「あるある」も「ガッテン」も氷山の一角に過ぎないということこそが重要なのです。今回の事件を通して、多くの人にそのことを気づいてほしいと思うものです。

○関連記事・ブログ

「ためしてガッテン」捏造報道、NHKが週刊誌抗議へ/YOMIURI ONLINE
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20070409-00000202-yom-ent
☆ NHK「ためしてガッテン」が捏造?   
http://blog.goo.ne.jp/zen-en/e/9b87a1ed60ee3562198966efc89801c6
NHKためしてガッテンでも捏造問題
http://diet.yobigun.main.jp/?eid=343046
またまた捏造?
http://blogs.yahoo.co.jp/bellwing2007/3072745.html
NHKよ!おまえもか?
http://bigmoneyget.blog99.fc2.com/blog-entry-18.html
<NHK>「ためしてガッテン」ねつ造報道で謝罪要求
http://life727.blog99.fc2.com/blog-entry-15.html

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コメント

貴方がここで述べているような構成でTV番組を作ることは,マスメディアとして決してできるコトではない。

>番組のデータは茶番に過ぎないということを認めていることになっているとも言えます。

こういった番組内における実験は,視聴者に対して論文の妥当性を判断するチャンスを与えるとともに,これを飲み込みやすいようにと配慮したもの。
製作者もこのデータのみをもとにした番組作りなど間違ってもしない。
そういった配慮を“茶番”と表現するのは,偏った価値観によるものと判断せざるを得ない。

>、「今回のデータは科学的な結論を導くものではありません。これこれこういった研究データを踏まえて報道しています」と言うようなテロップを流していれば問題なかったでしょう。

研究データを踏まえたうえで,視聴者に対して分かりやすい“実験”を実施することで,こういっては失礼だが,学のあまりない方にもわかるようにしているだけのこと。
そもそも,ガッテンの視聴者は学術的に認められていることが放送内容のソースになっていることは,過去の放送等を通じて十二分に理解できるものであり,これに関してわざわざ毎回放送ごとにテロップを流すのは視聴者にとって邪魔でしかない。
そもそもガッテンで流すテロップは,番組内における出演者の発言等を補足する等の,貴方がいったテロップよりよほど重要なことを担っているため,優先度という点から考えても,こちらを流すべきであると考える。


>プラスマイナス10%が「誤差」として変化なしと表記するのなら、当然のことながら、+28%という数値も「誤差」であることが疑われるからです。10%を誤差とする一方、28%を誤差ではないとするような判断は恣意的なものであり、それを隠せば捏造と言われても仕方がありません。

これに関しては,貴方が数学者であるというのなら反論は無駄と考えますが,物理系の自分から一言申します。
番組を作成するに当たっては,予算や実験に協力してくれる方には当然限りがあります。ゆえに少ないデータからこれを視聴者にわかる範囲で正確に公表したものが今回の番組における放送だったと考えます。
大方の方は,測定における誤差云々ということを言われても,それがすぐに理解できるかというとそうではなく,そうするとわかりやすい番組作りに支障をきたすわけです。
よって,変化なしというような表現をしたのであります。
この28%という数値単独について考えますと,この機械の誤差が±10%ということから,最低でも18%の変化は見込めるということです。まずこれを念頭においていただきたい,そして次です。


>NHK側が提出した生のデータは、+27%, -8%, -7%, -5%というものですが、平均すると、+2%にしかなりません。一方、測定器に由来する誤差は、サンプル数の逆数の平方根に比例して小さくなるわけですが、それでもプラスマイナス5%です。つまり、「10%以内は誤差範囲」という主張をするのであれば、+2%も誤差範囲ということを認めなければいけないわけです。

ここで平均を持ち出す理由がわかりません,正直理解に苦しみます。
小中学校の理科とは違い,一般論として,測定器の誤差内に入っているデータは,この実験の結果として信憑性が限りなく低いものであるといわざるを得ません。
それに比べ,28%という値はこの誤差の範囲を明確に超えているため,成果があったデータとして大きな価値を持つものになります。
にもかかわらず,各々の信憑性の評価を行わずに機械的に平均を出すことは,正確なデータを出すという点において間違ったやり方といわざるを得ないでしょう。
この4人の結果のみを見たためこのような誤解を生んだのであり,貴方が言うこの“茶番”に踊らされているのがあなた自身ではないかという風にも思ってしまいます。この結果は一例,サンプルであり,そもそもの根底にはしっかりと裏付けられた論文が存在しているわけであります。
この結果を伝えるために,矛盾なく,誤差の範囲内のデータは測定結果として変化があったとはいえないという“真実を”放送したのであって,これを変化があったと放送することのほうが,よほど捏造に当たるものではないかと考えます。


>NHKは正直にデータを出した上で、「今回のデータだけからは科学的に立証されることはなかったが、他のグループの研究で明らかになっている」というようなことを番組中で明示するべきだったのです。

まず言いたいのは,番組中にこんなこと言っている暇も余裕もないよ,ということです。
科学的に立証されたか否かについては,すでに提示されたデータのみから判断でき,これは素人にも難しくはないことです。
よって,科学的に立証された,されていないについての判断までNHKに委ねることに疑問を感じます。
あるあるの問題がある以前から,NHKでは断定的な表現は極力使わないようにしています。それはNHKが断言したことが社会に何らかの悪影響を与えるという,公共放送としてはあるまじきことをしてしまう恐れがあるからです。よってデータを提示することで,このような結果になり,また論文等からこのようなことがわかっていますが,貴方はどう判断なさりますか。ということをいい,視聴者には主体的に考えて動いていただくという姿勢をとっているのであります。
あらゆる可能性を考慮に入れた上で,かつ視聴者にわかりやすいよう専門家が解説した上での放送というものがNHKの基本であるため,何かと断定をして視聴率やスポンサーのご機嫌を取る民法と同一視することは間違っています。


また,NHKは基本的に非を認めます。
科学の発展により新たなことが明らかになった場合や過去の放送で伝えたことが誤り,もしくは誤解を招くものであったとわかったら,ガッテンではその旨をきちんと放送・訂正しています。
こういった姿勢があるからこそ,ガッテンは支持されているのであり,この自他共における厳しい視線が甘えを律しているのです。
ガッテンは娯楽番組である以前に科学情報番組です。この立場を忘れない限り,番組の信用は保たれることでしょう。

もし納得いかなければ,直接NHKに対してメール等で説明を求めてはいかがでしょうか。

投稿: 京都大学理学部学部生 | 2007/04/13 3:01:56

実験データの処理方法について誤解があるようです。

> ここで平均を持ち出す理由がわかりません,正直理解に苦しみます。

> それに比べ,28%という値はこの誤差の範囲を明確に超えているため,成果があったデータとして大きな価値を持つものになります。
> にもかかわらず,各々の信憑性の評価を行わずに機械的に平均を出すことは,正確なデータを出すという点において間違ったやり方といわざるを得ないでしょう。

医学・生物系の実験では、測定誤差のほかにも、実験誤差というのがつきものであり、測定値がたまたま上がっただけかもしれないということが常に考慮されないといけないわけです。たとえば、途中で食べた食べものがたまたま効果をもたらしたのかもしれないし、「ゆらぎ」の範囲内である可能性もあるでしょう。したがって、4人で実験を行ったのなら、それを平均した上で、それでも有意差が認められないといけません。そういう意味で平均すると2%というのはデータとして成り立っていないと言っても良いでしょう。

本来、平均値と測定誤差は比べるようなものではないので、本文の記述はかえって分かりにくかったかもしれませんが、平均値が測定誤差より少ないのであれば有意差以前の問題として、実験として成り立っていないということは言えると思います。本文はこの趣旨で書いたものです。

また、かりに、こうした私の主張を受け入れてもらえないとても、一部の測定値について誤差の処理をしてから平均をする(あるいはそのように見せる)手法は、恣意的であり科学的と言えるものではありません。こちらは、医学・生物学系の実験に限らず、どの分野でも共通することではないかと思います。理学部の学生さんということだったら、最低限、これについてはしっかり勉強してほしいと思うものです。

他にもいろいろコメントをしていただいたようですが、全てこの問題に由来するものだと思うので、他の部分についてはコメントを控えます。私が言っているのは、十分なサンプル数での実験をしろと言うことではなく、実験の範囲と限界について明示するべきだということです。これは、報道としての担保するために最低限必要なことだと思います。

投稿: 情報学ブログ | 2007/04/13 4:19:02

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