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「日の丸・君が代拒否」は内心の自由の問題なのか?―本来の争点は別のところにある

経済・政治・国際 | 2007/03/01

「日の丸・君が代拒否」はしばしば内心の自由の問題として主張されます。これは本当に正しいのでしょうか?「自由とは何か」ということも踏まえた倫理の問題として考えると、一般的な理解とは、全く別のことが浮かび上がってきます。

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教育現場で、教員が日の丸・君が代を拒否する権利が争われてきたわけですが、この問題に関連して、最高裁判所の判決が出ました。結論としては、教員が、君が代(具体的にはピアノ伴奏)を拒否することによる懲戒処分を肯定するものとまとめることができると思います。

法律ではなく、倫理の問題を扱っている立場から、意見を言わせてもらうと、これらの裁判での原告側の戦略は間違いで、そうした戦略では敗訴するのは当然です。特に、憲法にどこにも書いていない「内心の自由」などという言葉を使えば、論理的にはかなりの部分負けを認めていることになるわけです。

一般に、法律の問題は、「常識的にどうか」ということがベースとしてあるわけですが、倫理の議論は、「極端な場合についてどうか」ということを考慮して、問題の本質をあぶり出すものだと言えるかもしれません。これは法律の議論をする上でも参考になるものだと思います。そういう視点からこの問題を考えることにします。

(1) 思想・信条の自由と内心の自由

思想・信条の自由を含めた自由権は、その成り立ちまで含めて考えるならば、多様な価値観の尊重によって社会全体を維持するための社会規範と言うことができると思います。

これを狭く解釈すると、「内心の自由」とも言えるでしょう。ただし、この場合、あくまで「内心の自由」であって、「行動の自由」ではありません。たとえば、「政治家を暗殺するべき」と思うのは思想・信条の自由ですが、それを実行しようとすれば逮捕されます。

しかし、こうしたことが「踏み絵」のような状況に使われるのは明らかに問題です。そういう意味で、思想・信条の自由は、内心の自由に限られるものではないでしょう。やはり根本的には、多様な価値観を尊重することで、国家権力の横暴を防ぐという重要な価値観だと思います。そして、その意味において、「思想・信条の自由」は、純粋に内心の問題として理解されるべきではなく、思想・信条に由来する行動についても適用されるものだと言えると思います。

ただし、この場合重要なのは、その行為を認めることが、多様な価値観として重要か、あるいは反社会的なものとして否定されるべきかということです。「内心の自由」は絶対的に肯定されるものだとしても、それに基づいた行為の自由は、こうしたことを無視して理解することはできないのです。

(2) 教育と思想・信条の自由

教育の現場では、教員としての職務上の役割があるため、「思想・信条の自由」が限定して解釈されるのは仕方ないと思います。というのも、教育現場では、社会で受け入れられた特定の価値観を教えるものだからです。したがって、教員が職務上こうした価値観にしたがわなければいけないというのも正当です。思想信条の自由を盾に、社会で全く受け入れられていないおかしなことを生徒に教えることが許されるわけではありません。また、そうした価値観に基づいて職務上の要請に反する行動を行うことも無条件に認められるべきではないと言えると思います。

<かりに>、「君が代・日の丸拒否」が社会において全く尊重されるべきではなく、明らかに反社会的でおかしな思想なのだとしたら、それを生徒の前で表明することすら、公共の福祉に反するのだというのは、行政側の主張として全く正しいものではないでしょうか。

(3) 日の丸・君が代訴訟の本当の争点

このように考えると、日の丸・君が代拒否の正当性の争点は、「日の丸・君が代拒否」という価値観が、社会において尊重されるべき価値なのかそうではないのかということになるはずです。

さて、安易な愛国主義の主張が多い現在の日本において、「日の丸・君が代拒否」は、「多様な価値観」の一つとして、社会的に重要な価値を持つという主張は多くの人にとって認められるところでしょう。これは、「日の丸・君が代」に対する支持・不支持にかかわらず受け入れられる価値観ではないかと思います。「君が代・日の丸拒否」が、「明らかに反社会的でおかしな思想」であるはずはなく、かなりの程度社会的な重要性を持っているということは明確に言えるわけです。

したがって、このことを主張するのが、原告側のポイントになるのではなるというのは、この問題を倫理の問題として理解したときの結論です。

ところが、原告側は、こうした議論を経ないで、「内心の自由の絶対性」というロジックを使っているようなのです。これは、言葉の上ですでに負けています。「内心の自由」の問題か、それにとどまらない「思想・信条の自由」の問題かが問われているのに「内心の自由」と言うのは、不戦敗の宣言ではないかとまで言えるでしょう。いわば、主戦場では不戦敗を認めて、陣地に攻め込まれた状態で「負け戦」をしていたのではないかとまで思います。

(4) 人権について

ちなみに、ここまでの議論を良く読んでもらえれば分かるように、これはあくまで技術論として書いたものであり、今回の裁判の結果に関して、私自身、特にどうするべきだったという意見を主張するものではありません。

むしろ感じるのは、「人権」を訴える人たちが、どうも人権とは何かということを分かっていないのではないかという疑問です。たしかに人権は大事ですが、間違って使えば、かえって自分の首を絞めることになってしまいます。特に、この問題のように、他の価値との対立の中で存在している「人権」を、そのことに気づかずに主張すると、結局、人権の領域は縮小されていくことになるのです。そういう意味で、今回の事件は、そのことの代表的な例ではないかと思いました。本当の意味での「人権」が尊重される世の中になってほしいものです。

○関連記事

「人権」とは何かということについては、以下の記事で説明させてもらいました。

権利の条件に義務があるって本当ですか?/情報学ブログ
http://informatics.cocolog-nifty.com/blog/2007/02/post_1fa0.html

また、ごく短いメモではありますが、規範を価値の対立として理解するための基本的な議論を以下の記事で説明しています。

規範とは何か/情報学ブログ
http://informatics.cocolog-nifty.com/blog/2007/02/post_ed02.html

○関連サイト

最高裁の読み方~君が代伴奏判決/津久井進の弁護士ノートBlog
http://tukui.blog55.fc2.com/blog-entry-268.html
「君が代」ピアノ伴奏拒否の先生、敗訴確定…最高裁判決
http://blog.livedoor.jp/dqnplus/archives/929490.html
君が代伴奏命令の判断に思う
http://commander.seesaa.net/article/34889299.html
「君が代」ピアノ伴奏拒否に対する処分 多数意見と藤田反対意見
http://yaplog.jp/lawyaz-klub/archive/2081

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