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履修不足問題の本当の話(1/2)

経済・政治・国際 | 2007/01/15

今回は、情報学の理論的な話とはちょっと離れて、
高校の履修不足のことについて書こうと思います。

この問題、話を聞いていて、
どこか不自然だなって感じることはないですか?
履修不足のニュースの行間を良く読むと、どうも怪しい気がする。
しかも、そのことがどこでも報道されないのがさらに怪しいのです。

どういうことかというと、
要するに、「どうして年度途中で、急にあんなことを言い出すか」ということ。
たしかに、単位認定の不正は直さないといけないと思うのですが、
今まで30年間も続けてきたわけですよね?
だったら、来年度からでも良いんじゃないの?
だいたい、あんな中途半端な時期に言い出さなくても
いいって思うのが普通ではないでしょうか。

これは、まぁ、素朴な疑問としてもあるわけですが、
良く考えると、かなり深い問題とつながっています。
一般的に言えば、法律はいろいろなところで抜け道があったり、
柔軟に運用されるものなだと言えます。
そして、運用も含めた形で、明文化されない「規則」があって、
それも含めたのが「守るべき規則」だと言えると思います。
法学的には、「成文法」のほかに「慣習法」というのがあって、
それも、無視できない規則だということになるし、
情報学的に言えば、コミュニケーションは、
社会のさまざまな規則によって拘束されており、
その中に、運用規則や慣習法、成文法があるということになる。
たしかに、運用規則と法律では、法律の方が優先されるでしょうが、
一人の人間(たとえば生徒や先生)からすれば、
どちらも「規則」であることには変わりません。

いずれにせよ、そういう目から見ると、
今回の問題はまったく別の視点からとらえることができます。
たしかに、法律を守らないのは良くない、
きちんと履修科目を教えないといけない。
しかし、そうだとしても、
これは、この世界では「公然の秘密」だったことのようです。
要するに、法律や指導要領にかかわらず、
「慣習法」として黙認されていたのではないでしょうか。
「教育委員会に虚偽の報告」とは言うけれど、
おそらく、教育委員会も文部科学省も「暗黙の了解」で一応分かっていて、
表向きは虚偽の報告をさせていた。
どこかの県で教育長を処分するということがあったそうですが、
彼らだって、「目に見えない規則」に忠実にしたがっただけです。
さらに、生徒からすると、
学校が決めた単位についての運用規則も、規則にほかならない。
要するに、この問題の背景には、

(1) 法律に基づく学習指導要領
(2) 虚偽の報告を暗黙の了解として受けるような慣習法
(3) 学校の運用規則

という3層の「規則」があり、
そこに齟齬が見られたことが、問題の本質なのです。

もちろん、おかしな運用規則は変えないといけないし、
慣習法とは言っても、法律に反したり、合理的ではないものは、
維持していくわけにいきません。
しかし、それと年度途中で変更というのは別の問題です。
学校に限らず、社会の制度は、
ある程度長いスパンで設計されていて、
人間は、その中でさまざまな判断をしているわけだから、
途中で制度変更をされると、
関係者に非合理的な負担を追わせることになってしまう。
これは、普通に考えれば分かることでしょう。
たとえば大学入試の場合、浪人生も受験しているわけだし、
今年の受験生も浪人する可能性があるわけだから、
平成18年度の卒業生だけが著しく不利になるということがありえる。
たとえ法律に反する運用規則でも、
生徒にとっては、「規則」には違いないのだから、
一度決めたことを、年度途中で変更するのは、非合理的です。
こうしたことは、実際には、
「バランス感覚」に基づいて決めていくことになるわけですが、
今回の問題については、
明らかに途中で変えることによる問題の方が大きいでしょう。

考えてみると、こういうのを、うまくバランスを取って
(ごまかして)やっていくのは、
政治家や官僚がもっともお得意とするところです。
たとえば、マスコミがいろいろ騒いだとしても、
「では、来年度から」ということを正当化するロジックを組み立てる。
これは官僚のメンツとかかわる大事なところかもしれません。
そう考えると、何か別の、
「大きな力」が働いているような気がするのです。

そこで、あの問題が騒がれた時期を振り返ってみると、
ちょうど「あること」が起きた時期と重なることが分かります。
そう、教育基本法の改正です。
要するに、あの問題がこれだけ騒がれたのは、
「教育基本法」改正に向けて、
「今の教育はこんなにダメなんだ」ということを世論に訴えるための、
情報操作、プロパガンダという側面が大きいのではないかと思います。

正直言って、政治や行政の対応は筋が通っているし、
まぁ、そういうものなのかなと思います。
しかし、政府の提灯持ちに徹している
マスコミのレベルの低さにはあきれます。
個人的には、教育基本法改正には中立な立場なので、
まぁ、勝手にやってくれよという感じなのですが、
それに付き合わされた生徒や教育関係者は
良い迷惑だったのではないでしょうか。
そして、何か問題があると、すぐに善悪一元論に陥って、
他のことが見えなくなってしまう、日本全体の状況。
この国の将来は非常に危険だと言わざるをえないでしょう(*1)。

ちなみに、今回は、
「年度途中での変更」という、
若干表面的な問題について、
情報学的な問題解析の手法を用いながら、
説明してきましたが、
続編として、履修不足問題の、もっと本質的な部分、
つまり、現代の教育制度が抱える問題について、
書きたいと思います。

履修不足問題の本当の話(2/2)
http://informatics.cocolog-nifty.com/blog/2007/01/22_2aea.html

 

関連リンク

「履修不足を言い出したのは?」。やっぱり、ソースは明示した方がよいのではないだろうか(「踊る新聞屋」より)
http://t2.txt-nifty.com/news/2006/10/post_941a.html

高校単位偽装問題と日本的官僚システム(「5号館のつぶやき」より)
http://shinka3.exblog.jp/4810152

 

*1
上にリンクしたブログで、こんなコメントを見つけました。

> 高校側の立場、今のマスコミの論調を見ると、
> ひたすら謝るしかないのが現状であると思います。
> 四面楚歌でどこからも完全な悪玉ですから。
> 制度や政府などが悪いなどと批判した瞬間、
> マスコミ・政府・文科省などから袋叩きにあって、
> 抹殺されるのがオチだと思います。
> 米国の大統領や日本の前首相みたいな善悪二元論に
> 日本全体が陥っているのが問題だと思います。

高校単位偽装問題と日本的官僚システム(「5号館のつぶやき」より)
へのZZZさんのコメント。
http://shinka3.exblog.jp/4810152

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コメント

 トラックバックありがとうございます。せっかく永久保存されているブログ記事があるのですから、折に触れて掘り返す作業も必要ですね。
 忘れてしまわないために書いているのに、ついつい次から次へと起こる大変な問題に振り回されている自分を反省しております。
 これからも、よろしくお願いします。

投稿: 5号館のつぶやき | 2007/01/15 21:23:10

ブログ始めたばかりで慣れないもので…。
いろいろよろしくお願いします。

投稿: 情報学ブログ | 2007/01/19 15:09:19

初めまして。バッキーと申します。

トラバありがとうございました。ブログ読ませて頂きました。
履修問題について、感情的な善悪とは離れたアプローチ、興味深く読ませて頂きました。
今後とも宜しくお願いいたします。

投稿: バッキー | 2007/01/22 21:49:38

コメントありがとうございます。
ぜひ、また遊びに来てください。

投稿: 情報学ブログ | 2007/01/22 23:34:06

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