Copain小石川店
小石川にCopainという変わったイタリアン料理店があります。地元では人気のある店ですが、雑誌等などで取り上げられたことはほとんどありません。引っ越して距離的に遠くなってしまったこともあって、最近はたまにしか行ってませんが、昔はかなり通い詰めました。
値段はかなり安い部類に入る店なのですが、料理は何を食べてもおいしいのです。特に、アンティパストの白レバーペーストは絶品で、高級店でも、これ以上のものを食べたことがありません。いわしのグラタン、トリッパのトマト煮など、どれもかなりのおいしさです。リゾット、ペンネ、特にドルチェは最高。どの料理もスタンダードな材料、スタンダードな調理法、それでいてこれだけのおいしさというのは、まさに「マジック」としか思えません。こういうのを料理人の「センス」というのでしょう。
さぞかし素晴らしいシェフがいるのかと思ったら、なんとそうではないのです。普通に店に入っただけでは分からないかもしれませんが、Copainは、「シェフがいない」「スタッフ全員が料理を作る」「レシピもみんなで考える」という、かなり変わった運営をしている店です。当然、毎回味がちょっとずつ違うのですが、決して、味のレベルは低くありません。
最近、Wikipediaやブログのような「集合知」が注目されていますが、それと同じことを料理の世界でやっているのがこの店だと言えるでしょう。「有名シェフが責任を持って作る料理がおいしい」という常識が根本から覆される店だと思います。たとえば、銀座にある某有名店のシェフは、客に出す全ての料理を味見するそうです。しかし、どんなに優秀なシェフだって、味の「クセ」によって特定の食材が多すぎたり少なすぎたりすることはあるはずだし、毎日の体調による味覚の変化もあります。それならむしろ、みんなでおいしいものを作っていった方が全体としてはいいものができるんじゃないだろうか。これが集合知の考え方です。料理の世界で、こういう考え方がどこまで広がるかは分かりませんが、非常に興味深いケースだと思います。
くれぐれも店に行ったり、人に教えたりしないでください。雑誌で特集組んだりしたら、編集部に爆弾が届きますから(笑)。
多少の不満はあっても、絶対に有名にはなってほしくない店です。今のところ、このブログはほとんどアクセスがないのですが、アクセスが増えたら記事も消すかもしれません。そんなに見られなくないなら書くなよ…と言われそうですが、そうはいかないのが人情というものです。
○参考URL
http://tokyo.gourmet.livedoor.com/restaurant/info/10920.html
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