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私にとっての、そして構築されたものとしての風景

日記・コラム・つぶやき | 2007/03/21

今日は仕事が休みだというのに気づかずに職場に行ってしまった。職員室では、事務の女性が一人で仕事をしている。どうも卒業式で授業が休みだったらしいのだ。

「せっかくだから、先生も卒業式に出られたらどうですか?」
「始まったのは何時ですか?」
「えっと、10時ですね。」
「もう始まってるじゃないですか。先生は遅刻しちゃいけないんですよ。」

自分は笑いながらそう言った。

「じゃあ、今日は帰りますね。」

そう言って職場を出たものの、さすがにそのまま帰るのはもったいなので、近くの喫茶店で、持っていた本を読んで帰ることにした。

いつもと違う気分。人は毎日の生活の中に投げ込まれると、普段と違うことをする気力すらなくしてしまう。だけど、ちょっとしたきっかけで、それが変わる時があるのだと思う。

大宮からの電車が荒川を通り過ぎたとき、この場所を散歩してみたらどうだろうかという考えが頭をよぎった。赤羽駅から荒川まで20分弱くらいだろうか。

そう言えば、最近「歩く」ということをほとんどしていない。大学生のころは、1時間とか2時間一人で散歩をするのが当たり前のようになっていた。しかし、習慣というのは恐ろしいもので、一度それを忘れると、どこまでもそうする気がなくなってしまう。

そんなこともあって、荒川の土手を歩いてみようという突拍子もないプランは、電車を降りるまで、「そういう考えもある」という可能性の問題でしかなかった。でも、乗り換えのために電車を降りると、いつの間にか改札を出ていた。外の風はどうしょうもなく寒い。新しいことはいつもこうやって始まるのかもしれない。

/////

1時間ちょっと歩いて、浮間舟渡の駅にほど近い浮間公園に着いた。ここは一度だけ来たことがある。公園の一本一本の木、池の水面に複雑な思いを感じるのは、その場所が「ある記憶」と関係しているから。そのことには、自分でも何となく気づいていた。

埼京線のホームに上がったとき、ホームの風景がひどくきれいに見えた。湾曲したホームに差し込む日の光は、最高の造形美だ。その時にふと思った。ああ、自分は今、写真を見る目でこの風景を見ているのだと。

もし、自分が写真というものに出会ったことがなかったとしたら、あるいは自分でカメラを持って写真を撮った経験がなかったとしたら、きっとこの風景は美しくも何ともなかったに違いない。言うならば、近代の<社会>というシステムが作り上げたのがこのホームの美しさ。だとしたら、今日荒川で見た風景も、そこで感じたものも、全て同じように<社会>の産物だったに違いない。

真っ青な広い空、ベンチに座って本を読む少女、新品のテトラポッドの山、生活感の漂う巨大な作業室を載せた土砂掘削船。一つ一つは自分にとって大きな発見だったかもしれないが、その感動を「新鮮」というには余りにも使い古されたものだ。

でも、一方で、それは<私>の世界、<私>というシステムのできごと。過去にどれだけ同じ主題についての映画や小説があろうと、私が見た風景はあくまで私にとっての風景にほかならない。荒川を散歩した後でなければ、ホームの造形美を感じることはなかったかもしれない。もし、今日、仕事が休みではなかったら、あるいは喫茶店に立ち寄っていなかったら、同じ景色は見ていなかったに違いない。

一言で言えば、私たちが見る風景は、<私>という物語の風景であると同時に、<私>にとっての<社会>の物語の風景。そして、私たちが生きるということは、<私>自身に出会うと同時に、<私>の中の<社会>に出会うこと。「風景を見る」という何気ないことの中には、そんなことが含まれているのだと思う。

そうして、いつものようにシステム論について考えている自分がいた。

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